うたかた


骨。

行ってくるねって あの日笑った玄関
気をつけてねって 僕はあの時言ったのに

眠るきみの顔は 優しく凍りついて
壊れたラジオは 昔の声を流すだけ

「アルバムなんて要らないよ」
「いつかは壊れてしまうから」
切りぬいた思い出に 価値なんてないから


早く帰るから あの日出てった玄関
嘘吐きなひとは 重い扉の向こうへと

痩せたからだ抱いて 美白もしたの、なんて
壊れた時計は 壊れたままでサヨウナラ。

「お帰りなさい遅くまで」
「こんなに小さくなっちゃって」
思い出し口ずさむ きみに贈る唄を

A→B→S→A→B→S