うたかた


冬の体温


息を吐いて確かめた 今年もまた寒くなり
他人(ひと)の熱を感じれる 季節が訪れました

遠くで聴こえた 小さな足音
誰かの声さえ 呑み込む静寂の中

見上げた灰色の空 気付けば舞い降りてきた
やさしい冬の妖精 ぬくもりに溶けて


靴の先で追いかける 重ねてきた時間だけ
薄くなった足跡を なぞって忘れないように

さよならさえなく 独り旅に出た
あなたを想って 今日も空を見上げます

見渡す真白い大地 手のひらにすくい上げた
寄り添う二人の記憶 ぬくもりに溶けて


「雪が降ればまた会える」 夢のような囁きが
耳元掠めていった 優しいひとの嘘吐きな声

見上げた灰色の空 涙がこぼれないように
じわりと滲む景色を 拭って微笑うの

いつしか哀しみは溶け 願いを抱き締めたまま
静かな眠り誘う 優しさに包まれて


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