うたかた


love's memory

この手に掴んでいたものが
気がつけばとても遠くに在って
この目で捉えていたものが
知らぬ間に酷く小さくなって

「何にもないよ」と微笑って
いつだって君は独りで決めて
必死で掴んだ糸でさえ
いつも容易く切って離してしまう

このまま瞳を覆い隠して
怖くなった現実に背を向けて
それでも僕は前へ進んで
愛していた存在を記憶にして

きっとぼやけたことさえ気付かず
それでも僕は笑えるだろう
そっと掬い上げた哀しみさえ
先は君の心を刺すよ


ふたりで紡いだ大切な
「愛してる」という記憶でさえも
この身は忘れていくのかな
思い出さえも殺してしまう

互いに互いを傷付けて
いつまでも君を壊し続ける
留めておくこと出来たなら
遠い昔にそうしてるのに

時計の指針は進まないまま
薄れていく思い出は今はまだ
近くでそっと瞬いてるよ
歩き続け輝きを胸に秘めて

いつか忘れたことさえ忘れて
それでも僕は笑うのだろう
なにを哀しむのと言われたって
なにも哀しいはずがなくて


愛してるという記憶さえ
この身体は忘れてしまうけど
何度だって君を見付けて
何度だって惚れ直すから