うたかた


泡沫の夢

少し話をしようか 遠い昔に僕が見た
とても切なく哀しい 何処か遠くの優しい夢
淡く儚い色彩 じわり、滲んで消えていく
遠い昔のお話 これは誰かの夢の話

知らないはずの誰かの声が
どこか遠くで叫んでるんだ
大切なもの 要らないものを
全部壊して置いてきたんだ

二人で紡いだ記憶も想いも
何度も交わした約束誓いも
夜の泡沫に弾けて消えてく
“愛してる”なんて何処かで聴こえた


一つ話をしようか 遠い昔に僕が見た
とても愛しく鮮やか 決して色褪せない幻
ゆらり夜空で瞬き 燃えて尽きてく星のように
微睡む最中で聴いた これはひとつの寝物語

知らないはずの貴方の顔が
記憶の中で切なく微笑う
置き去りにして壊したはずの
遠い時間の哀しい記憶

貴方が忘れた時間も祈りも
何度も重ねた唇言葉も
きっと幻に変わっていくから
“愛してる”なんて一人で呟く


どうして貴方は忘れてしまうの
どうして記憶は薄れてしまうの
僕が見た夢はいつかの出来事
“憶えてて”なんて約束交わして

貴方が忘れた時間も祈りも
何度も交わした唇言葉も
いつか幻に変わっていくから
“愛してた”なんて涙を流した