うたかた


闇が見る夢

夜を切り裂き目を開けていた

闇に紛れ影の中を
一人歩く哀しき運命(さだめ)
終焉(おわり)与え 赤に染めて
別れ告げる 笑顔のままで

短く儚く消えゆく人の温もりさえ
喉を通る一瞬(ひととき)の悦楽

甘く通り過ぎゆく
空腹を満たしてく
渇望を和らげる貴方の愛
愛しい貴方の温もり


闇を裂いたこの手のひら
赤に染まり光を奪う
深紅の約束交わして
永遠に赦されることのない
罪を背負ってきた

舌を絡めては
動かぬ躰を己のものへと

贖罪も許されず闇を彷徨い歩いていく
出会いはいつか別れに

時に奪われゆくのなら
いっそこの手で奪おうか
貴方の首に指を絡ませてた
ただ 涙溢れる

流れゆく貴方の温もり
流れてくる赤い温もり
小さく祈っていた 月に星に
別たれた運命を

貴方の躰に唇に
貴方の首筋温もりに

口付け肌を裂いて
舌を這わせ満たされる躰が
温もりに

甘いひと時 夢のよう